「自然科学研究機構発ベンチャー」に認定されました
- naho yoshimura
- 9月22日
- 読了時間: 5分
世界最高峰の人材と設備、知見を誇る国立研究機関との連携を深化し、研究開発を加速
Helical Fusionは、この度、核融合科学研究所を含む五つの日本を代表する研究機関を擁する自然科学研究機構(以下、「NINS」)により自然科学研究機構発ベンチャー(以下、「NINSベンチャー」)として認定され、2025年9月19日(金)にNINS機構長 川合 眞紀氏による称号授与式が行われました(自然科学研究機構のリリース)。今後はこれまでより更に包括的な支援を受けて、研究開発を前進してまいります。



認定の背景
Helical Fusionは、世界有数の核融合専門の国立研究機関である核融合科学研究所(以下、「NIFS」)の20年以上の研究開発の知見を引き継いで創業し、2030年代の商用発電所実現に向けた開発を進めています。これまで、NIFSと複数の共同研究を進め、また2024年3月にはNIFSにヘリカル型核融合炉の実用化に向けた研究開発を行う産学官連携研究部門「HF共同研究グループ」とその専用スペースの設置が行われ、両者の研究メンバーによるチームで専用スペースでの共同研究を進めてきました。Helical Fusionでは、2030年代の「実用発電」を目指す「Helix Program」を掲げ、直近5年をめどに、要素技術の統合実証を行う「Helix HARUKA」の稼働を計画しています。それに向けた主要な二つの課題として、エネルギーの取り出しなどを担う「液体金属ブランケット」、効率よくプラズマを閉じ込め、コンパクトな核融合炉を実現する「高温超伝導マグネット」の開発があります。どちらのテーマについても、高度な知見を有するNIFSとの協働によって解決することが期待されます。


自然科学研究機構(NINS)とは
日本では、個別の大学では実施困難な「先導的共同研究や新分野開拓の場」、「大規模な施設や設備」、「膨大な学術資料やデータなどの知的基盤」を、全国の国公私立大学の研究者のための学術研究の中核拠点として整備された19の「大学共同利用機関」が運営されています(2025年9月現在)。そのうち、宇宙、 エネルギー、物質、生命等に係る大学共同利用機関(国立天文台、核融合科学研究所、 基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所)と直轄の2つのセンター(アストロバイオロジーセンター、生命創成探究センター)を設置・運営し、世界を牽引する最先端研究を推進する、自然科学分野の国際的研究拠点が自然科学研究機構(National Institutes of Natural Sciences: NINS)です。
NINSホームページ: https://www.nins.jp/about/folder2/post_4.html
「NINSベンチャー」とは
NINSでは、その研究成果等を活用して起業された企業に対し「NINSベンチャー」の称号の授与が行われています。認定を受けた企業は、NINSや傘下の研究機関と連携を深め、支援を受けることができます。
核融合科学研究所(NIFS)とは
大学共同利用機関であるNIFSは、1989年の設立以来、世界最大級のプラズマ実験装置「大型ヘリカル装置(LHD)」やスーパーコンピュータなど、大型の研究施設をはじめ、様々な研究装置群を共同利用に供し、国内外の大学や研究機関との共同研究を進めています。これにより、核融合科学の発展とともに、広く科学技術の基盤形成を推進しています。LHDでは、3,000秒を超える定常運転や、1億度のプラズマ温度など、核融合技術の実用化にとっても非常に重要な研究成果を挙げる、世界最高峰の研究機関の一つです。
NIFSホームページ: https://www.nifs.ac.jp/index.html

Helical Fusion代表取締役CEO 田口昂哉のコメント

Helical Fusionは、核融合科学研究所の知見を受け継いで創業し、これまでも共同研究や体制面で連携して取り組んできました。
創業時より核融合発電所を作る計画を立ててきましたが、民間企業や研究機関のパートナーも増え、計画をより明確にすることができています。そうしたタイミングで自然科学研究機構や核融合科学研究所との連携を更に深めることで、核融合発電所の実現に近づくことができるという手応えを強く感じています。
今後も産学連携、ものづくり連携を強め、フュージョンエネルギー産業を実現していきます。
背景
フュージョンエネルギー開発の意義
世界の人口は2050年までに約17億人*増加すると予測され、生成AIの普及も背景とした世界的な電力需要の急増に対し、既存発電方法のみで応えることは厳しい見通しです。フュージョンエネルギーは、太陽の輝きと同じ原理を使ったCO2排出がなく効率性の高い発電方法であり、海水等から豊富に採取可能な燃料を用いることからも、世界的な課題を抜本的に解決する技術として期待されています。核融合プラント建設および電力市場は2050年までに世界で数百兆円規模**にまで成長するとの試算もあり、今後自動車産業のように日本が世界をリードする巨大産業を創出できる可能性がある一方、国際的な開発競争も激化しています。
*国際エネルギー機関(IEA)年次報告書 「2023年版世界エネルギー見通し」(World Energy Outlook 2023)
**FusionX/Helixos report Global Fusion Market Analysis: Electricity, Supply Chain & Construction (https://fusionxinvest.com/data-analysis/analysis/)
日本から世界のエネルギー産業をリードできる唯一の技術「ヘリカル方式」
Helical Fusionが開発する「ヘリカル型核融合炉」は、岐阜県にある世界有数の核融合分野の国立専門研究機関「核融合科学研究所」をはじめ、日本で約70年にわたって蓄積されてきた研究の知見を引き継ぐものであり、プラズマ研究・炉設計と工学研究成果の両面から、実用化に最も近い技術です。
核融合炉を発電所として商用利用するためには、核融合反応を起こすことはもちろん、①定常運転(24時間365日運転可能な安定性)、②正味発電(外部へ十分にエネルギーを出せる)、③保守性(短期間で効率的なメンテナンス)という「商用核融合炉の三要件」をすべて満たす必要があります。現在、トカマク方式やレーザー方式をはじめとして、世界中で複数の方式を開発する50以上のプロジェクトがありますが、この三要件を「今ある技術」で実現可能な方式は、唯一「ヘリカル方式」を用いるヘリカル型核融合炉のみです。
Helical Fusionは、世界初の「商用核融合炉の三要件」を満たす核融合炉を2030年代に実現、世界に先駆けて商用化することで、真に持続可能で高効率なエネルギー源の実用化を目指しています。




